輪講説明資料

このページでは、輪講(3年生ゼミナール)の説明をします。

 

2005126
2008
120日改訂

2008年度講究説明会資料 (改訂版)

教員名    夜久竹夫

科目名    コンピュータ科学講究1・2   

テーマ    オートマトン・言語理論

分野 ソフトウェア科学の基礎理論

キーワード オートマトン・言語理論 視覚言語 ソフトウェア工学 CG


内容説明:

オートマトンは時間とともに変化する構造の状態変化を抽象化した概念で、状態の局所的変化の性質により構造全体の機能や能力を明らかにする理論です。オートマトンは又、文字列集合や図形集合の反復構造や階層構造を抽象化した概念である形式言語理論と対になっていて、言語の分類や特徴抽出にも有効です。オートマトン・形式言語理論は、アルゴリズム理論、論理回 路理論、計算理論などとともに理論コンピュータ科学を構成しています。オートマトン・言語理論の直接の応用分野はプログラム言語、自然言語、CG、パターン認識・人工知能などがあります。オートマトン・形式言語理論のうち、この講究では原書講読を通じて基礎的概念を学びます。この講究で得た基礎的概念は将来の情報科学の研究全般に役立ちます

卒業研究:視覚言語の理論と応用

この講究は4年生の卒業研究(コンピュータ科学研究)につながります。4年生の卒業研究ではオートマトン・言語理論を元に視覚言語の理論と応用について主に研究します。視覚言語は文字列上の言語の概念を図形に適用した概念で、このセミナーではその内左表のように、地形図、ソフトウェア図、表文書、CG図形などを対象とします。卒業研究のテーマはそのような図形や表のデータ構造と図表の特徴抽出や変換・表示システムを中心として、以下の右表のようなものがあります。

視覚言語

CG図形

地形図

ビジネス図表

ソフトウェア図表


主な卒業研究分野

CGのデータ構造

D地形図

ビジネス図表

視覚的ソフトウェア工学

仮想現実制作

セルオートマトンの理論

このゼミでは視覚言語の応用として、地形図や図形などのCGの他にソフトウェア工学を重視します。ソフトウェア工学は情報科学の一翼を担っていて、(1)ソフトウェア開発方法を扱う分野、(2)ソフトウェア開発・保守効率化を目指すソフトウェア開発ツールを扱う分野、(3)プログラム同士を比較して優劣を決めたりテスト方法を扱う分野などがあり ます。このゼミではその内、オートマトン・言語理論を切り口に視覚的ソフトウェア開発法や視覚的ソフトウェア開発ツールを学びます。

大学院ゼミ:視覚言語の理論と応用

情報科学の発展による複雑化や情報通信産業の高度化を背景として、海外や国内の一部の大学では大学院進学者の比率が 増えています。この研究室には大学院があります。大学院では、視覚言語に関連する新しいモデルの構築や未発見の法則を発見する事により情報科学に貢献する 事を目指します。大学院生の研究テーマは以下のようなものがあります。

分野

成果発表

ソフトウェア図表処理系

IFIP WCC2000(参考WCC2008), ICSE 2001, IEEE VL1999

ビジネス文書の構文構造

情報処理学会情報システムと社会環境研究会88

地形図CG

SIAM GD2005, IEEE ICALT2007A

CGのデータ構造 SIAM GD2007IEEE ICALT2007B

3分の2程度の人が国際学会で英語で講演をして、残りの人も全員が国内の学会で講演をします。大学院のゼミにおける研究活動を通じて、情報科学の最先端の知識や技術を獲得する事が出来ます。その事は大学院修了後、上級技術者や研究者として活動する事の助けになります。


実施方法:

セミナーでは定時の輪講と自習・合宿による勉強を行います。定時の輪講で、 原書購読とプレゼンテーション(発表)の方法を習得します。前期の自習時間でJava言語を中心にしたソフトウェア開 発とインターネットなどの実習を中心にコンピュータとネットワークの利用技術を初歩から学びます。 また後期の合宿と自習時間にはVRML(仮想現実記述言語)の実習を中心にCGや視覚的プログラミングの知識も身につけます。   

この科目は4年次の卒業研究に継続し、4年生になったら基礎理論解説か言語規格作成、ソフトウェア実装のいずれかで卒業研究を行います。4年生前期では最近の論文購読を目 標に学外やインターネット上の文献の調査法など習得し1次資料に直接アクセスする情報受信能力を身につけます。4年次最後に卒業研究発表会と卒業研究報告書をま とめます。その時に、20分程度のプレゼンテーションの方法と同時に10ページ程度の論文執筆法などの情報発信能力を身に付けます。

3年次と4年次の2年間の学習により、将来自立した技術者として活躍できるだけの情報科学力と周囲の技術者をリードする見識を身につけます。


4年生の成果:

2006年度と2007年度4年生の成果は、雑誌”地図中心”への論文掲載件(3名)、情報システム教育学会への発表講演・1件(1名)、国際学会(IEEE ICALT07)への投稿(後に受理されてM1で英語講演2件)、東京都教育庁広報”みんなの生涯学習”への記事掲載1編(4名)、展示会”シルクロード展・ CG展示”の制作・実行、などです。 


その他:

元気のよい人、マナーのよい人、成果を挙げたい人を歓迎します。将来大学院に進みたい人やIT関係に就職したい人を特に歓迎します。  


輪講テキスト:

J. E. Hopcroft and J. D. Ullmann, “Introduction to Automata Theory, Languages and Computation”, Addison Wesley, 1979. (第1版)


研究室ホームページ http://www.yakulab.org
卒業研究題目、報告書等は研究室ホームページから

説明会
文理学部企画展研究室出展場所 百周年記念館ホール、1224日まで(ゼミ生による相談は随時)
研究室で随時(1月15日 14時30分~16時20分 可能)